[一般質問]平成19年 6月定例議会
○市町村合併について
【質問】
地方分権の推進、少子・高齢化の急激な進行など、市町村を取り巻く環境が一層厳しさを増すなか、市町村の行財政基盤の強化は不可欠であり、新合併特例法の期限である平成22年3月末の3年を切る今、早急に取り組みを進めるべき市町村合併についてお聞きします。
【答弁】
地域のインフラ、公共施設の整備の方向も含めて、将来のまちづくりのあり方を中心テーマとして、市町村となるべく具体的な検討を進め、課題と方向性についての認識をできるだけ共通化、共有化をはかりながら、これまで以上の積極的な動きを重ねていきたいと考えております。
○高齢者の交通安全対策について
【質問】
国が作成した「第8次交通安全基本計画」に基づき、県下の交通情勢に沿ったさまざまな施策に取り組むなか、現在、高齢者における交通死亡事故が多発しており、高齢者を交通事故から守るため、また、高齢運転者による交通事故を防ぐための施策についてお聞きします。
【答弁】
現在、70歳以上の方には運転免許更新時に義務づけられています高齢者講習において、運転適性診断や、実車を用いた体験型の講習などを実施しています。また、交通規制面における対策としては、道路管理者との合同による交通安全点検や、視認性を向上させるための道路標識の大型化などを進めています。今後とも、総合的な交通安全対策に、より積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○産業活性化策について
【質問】
①奈良県下第1位の製造品出荷額であり、内陸工業地帯として重要な役割を担っている「昭和工業団地」及びその周辺地域における企業誘致の促進に向けた取り組みについてお聞きします。
②産業活性化のためには、企業誘致もさることながら、県内に現に立地している企業の育成を図ることも重要であり、そのためには、販路拡大へのサポートなど支援制度の充実も積極的に行っていただきたいと考えますが、現状と今後の方策についてお聞きします。
【答弁】
①市街化調整区域における規制緩和をすすめ、昭和工業団地内の企業をはじめとした既存の県内企業の規模拡張や県外企業の県内進出を促進するとともに、周辺地域の渋滞緩和や企業立地環境の整備を図るために、スマートインターチェンジの設置などによります西名阪自動車道の新たな活用方法の検討を行ってまいります。
②既に県内に立地をしている企業の活性化については、外部専門家の派遣や県政アドバイザーによる支援を行うとともに、成長産業創出チャレンジ助成金による、販路拡大のためのマーケティング調査や展示会出展等の経費の一部を補助いたしております。また、中小企業基盤整備機構等の国の機関と連携をはかるとともに今後とも、県内企業の育成を目的とした販路拡大へのサポートをはじめとした支援制度の充実に努めてまいります。
○教育行政について
【質問】
①確かな学力と豊かな心を持ち、たくましく生きる子どもの育成を目指すべく、さらなる教育環境の充実に努めなければならないと考えるが、文部科学省や各機関の教育施策の実施調査結果は、あまり芳しくない本県の小中学校の教育環境の現状について、どのように認識し、今後どのように取り組んでいこうとされているのか、お聞きします。
②先般国会において成立されました教育三法の1つである「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案」のなかに、教育委員会の体制の充実が盛り込まれるなか、市町村における教育行政の体制の整備及び充実に資するため、県教育委員会としては、今後どのように市町村教育委員会を指導・支援していくのかお聞きします。
③戦国時代、大和一国を治めた筒井順慶公の生誕地、私の地元でもあります大和郡山市筒井町に位置する、県で初めての三部制単位制高校「大和中央高校」についての方向性と、この学校における入試の基本的な考え方や内容についてお聞きします。
【答弁】
①県教育委員会といたしましては、市町村の主体性とか独自性を尊重するものの、県内学校全体の教育水準の維持向上が大切と考え、これまで以上に市町村への適切な情報提供や市町村ごとのデータ公表にも努めてまいります。また、昨年度から各学校に対し、全国初めてである「学校アドバイザリーチーム」を派遣し、診断、分析を行うとともに、学校や各市町村教育委員会にも、教育及び教育条件の改善に向けてアドバイスをしながら、県全体のレベルアップを図っているところです。
②今後、広域行政を視野に入れた検討が必要になってくるものと考え、県内市町村の教育委員を対象に、教育行政の広域化や教育委員会の機能の強化について熟慮するように訴えました。市町村の主体性に配慮しながら、今後とも市町村教育委員会に対しまして、必要な助言、情報の提供など、支援に努めてまいりたいと考えております。
③大和中央高校では、学年制の高等学校とは異なり、仕事をしたり、芸能やスポーツなどを専門機関で学んだりしながら、高卒資格を取りたい人、また、不登校等から過去に高等学校を中退したが、再度チャレンジしたい人など、さまざまな目的を持つ人にとっても、学びやすい、そういう仕組みの学校にしたいと考えております。入試については、高校での学習を継続するのに必要な基礎学力と、学びたいという意欲を総合的に判断する選抜を行う予定です。