[一般質問]平成29年9月定例議会
≪障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくりについて≫
【問】「奈良県障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例」が施行されて以降の、企業・事業所を含め県民全体への啓発に向けた取組や、本条例を適用した事例について伺いたい。
【知事】対応例として、盲導犬の飲食店への入店拒否に関する相談に対し、県担当者が店舗に出向き、説明した結果、双方の理解を得たケース等がある。啓発の取り組みについては、「まほろばあいサポート運動」を軸に、市町村や障害者団体「障害者はたらく応援団なら」登録企業等と連携して取り組んでいる。
≪奈良県中央卸売市場の将来ビジョン実現に向けた取り組みについて≫
【問】県営市場として流通機能を公的に確保することを基本に、県中央卸売市場の将来像・理念とすべき「生産者及び消費者ニーズに持続的に応える市場」「他市場との競合に勝ち抜く市場」「華やかで賑わいのある市場」の早期実現に向けて、集中した取組を進める必要があると考えるが、知事の所見を伺いたい。
【知事】食の安全安心の確保のため、施設の老朽化への対応は喫緊の課題であり、コールドチェーンに対応した施設の低温管理や、効率的な物流動線の確保を検討したい。また、県民や県外から来られる観光客が楽しめる、華やかで賑わいのある拠点の構築を目指した構想案の作成については、今年度末を目途にまとめたい。
≪保育環境の整備について≫
【問】保育環境の整備は、国・地域の重要課題であり、様々な方面からの取組が求められているが、企業への働きかけも含めた保育環境の整備についてどのように考えているのか。
【局長】現在、保育所の整備や保育士人材バンクによる保育士の確保、研修の実施などによる保育士の資質向上に努めるとともに、延長保育や病児・病後児保育などの多様な保育サービスについても市町村の状況に応じた支援を進めている。一方で、昨年度より導入された企業主導型保育事業については、補助制度の創設でいっそうの推進を図るとともに、認可外保育施設であるため、県が運営や保育内容に対する指導監督を行い、保育の質を確保したい。
≪県内企業の後継者問題について≫
【問】県内企業の後継者問題について、公益財団法人奈良県地域産業振興センターのよろず支援拠点や事業引継ぎ支援センター等における取組も含め、より一層の支援策を講ずる必要があると考えるが、現状と今後の方向性について伺いたい。
【部長】後継者問題を抱える企業からの相談件数は、平成28年度で57件、今年度は上半期で48件と増加している。この中から経営アドバイス等を幾度も行い、後継者承継に結びつけた成功事案は3件ある。今後も中小企業の経営者や後継者を対象としたセミナーを開催するとともに、各支援機関と連携して企業の個別訪問を実施することにより、後継者問題に悩んでいる企業を掘り起こし、円滑な事業承継を促したい。
≪教員の長時間勤務について≫
【問】外部人材の活用も含め、教員の長時間勤務を改善するための、現在における県教育委員会の取組と今後の方向性について伺いたい。
【教育長】平成28年度に実施した調査によると、回答した小学校教員の約半数が、勤務時間外で最も多い業務として授業の準備、中学校教員の約半数が部活動と回答し、特に、中学校の部活動では、回答した教員の約61%が週10時間以上、勤務時間外に従事しているという結果であった。小学校教員に対しては、授業も含めた全ての教科を担任一人で教えることの負担が大きくなっており、免許更新講習による新たな指導方法の研修や、小中一貫教育の推進による小学校高学年での教科担任制の導入などを研究している。また、中学校や高等学校における部活動での長時間勤務を改善するため、週1日の休養日を必ず設定する取り組みを行っており、更に、総合型地域スポーツクラブとの連携や部活動指導員の在り方を検討したい。今後、業務のICT化や保護者・地域住民と一体となって学校を運営するコミュニティ・スクールの取り組みとともに、教員へのアンケートやヒアリングを実施しながら実態の把握に努めたい。