[一般質問]令和元年9月定例議会
1.奈良県中央卸売市場の再整備に向けた取組について
【問】中央卸売市場の再整備におけるBtoB機能の整備についての今後の取組や方向性について伺いたい。また、今後、「奈良県中央卸売市場再整備基本計画」に沿った取組を進めるためには、関係部署と連携した全庁的な取組が必要と考えるが、所見を伺いたい。
【知事】生鮮食料品の品質管理の高度化を図り、事業者間の取引を活性化することが必要であり、生産者から消費者まで一貫した低温管理を可能とするコールドチェーンに対応した閉鎖型の施設整備は必須であると考える。
また、魅力ある市場とするため、県産食材を活用した「奈良市場ブランド」の創出を推進し、好立地の環境を最大限に活かし、産地と県内外の消費者とを結ぶ中核的な物流拠点としての整備に取り組みたい。抜本的再整備は、BtoCの導入、アクティビティの活用、ホテルの併設など新しい試みを導入したものであり、卸売機能の効率化、高度化を基本に全庁あげてのプロジェクト体制で、国や大和郡山市など関係機関と連携しながら、県民の皆様に喜んでもらえる中央卸売市場の再整備を推進したい。
2.防災対策について(1)
【問】災害から身を守るためには、避難情報を受けた後の速やかな行動や対応が求められるところであり、県民に対し「自らの命は自らが守る」ことを促す啓発を積極的に行うべきと考えるが、所見を伺いたい。
【知事】災害から身を守るためには、まず住民自身が、自分の身は自分で守るという「自助」の意識を持ち、適時的確な避難行動を起こすことが重要。この「自助」の意識を持っていただけるように、過去の災害や防災に関する情報を「県民だより奈良」などを通じた広報活動や、防災講演会などの様々な機会を活用して情報発信をしている。今年度から新たな取組として、地域の災害リスクや避難経路を確認するなど、住民参加の実践的な避難訓練や、防災総合訓練において見学者を対象とした煙体験や防災関係車両の乗車体験コーナーを設置し、経験を通じた住民の防災意識の高揚を図る取組も始めている。
3.防災対策について(2)
【問】大雨による急激な河川の増水に伴う市街地の浸水被害を未然に防ぐ取組、とりわけ大和郡山市内の地蔵院川における現在の整備状況と、今後の見通しについて伺いたい。また、国の直轄管理区間である大和郡山市域の佐保川における取組状況についても併せて伺いたい。
【県土マネジメント部長】地蔵院川では、佐保川合流点から県道木津横田線までの約3kmの区間、河床掘削や河道拡幅による改修を進めており、昨年度までに、平和橋付近までの約1.2kmの整備が完了。今後、前川との合流部から護岸工事や河道掘削を行い、さらに上流の流下能力の確保に向けて、5年間で前川合流部から大久保井堰上流の無名橋まで約150mの改修を予定。国管理の佐保川について、今年度は、長安寺町地内で河道掘削を行い、額田部南町地内及び稗田町地内で河道内の樹木伐採を行うとともに、堤防強化対策として高田町地内で法尻補強を実施。来年度以降も同様の河道掘削などを行う。
4.高齢者雇用について
【問】高齢化の進展に伴い、国において、70歳までの就業機会確保の仕組みが検討されるなか、県内における高齢者の就労の現状や、雇用を促進する取組について伺いたい。
【産業・雇用振興部長】労働力が減少する中、本県経済の好循環を促進するには、高齢者が活躍されることが重要であり、このため、県では、シルバー人材センターによる地域の高齢者の多様なニーズに応じた就業機会の確保に努めている。また、高等技術専門校では、ビルメンテナンス科や造園技術科において、技能、資格取得及び就労の支援に取り組んでいる。一方、国では、65歳以上の雇用措置を講じる企業への助成金の支給や、高齢者求人の開拓・面接会などに取り組まれている。今後、労働局とも連携しながら働く意欲のある高齢者に、多様な就労機会を提供できるよう進めてまいる。
5.学校における働き方改革について(1)
【問】「学校における働き方改革推進会議」の今後の協議内容と方向性について伺いたい。また、県内の学校における超過勤務の現状と、今後の超過勤務縮減の取組についても併せて伺いたい。
【教育長】「推進会議」における今後の取組としては、職員団体等の代表からも意見を伺い、来年1月を目処に勤務時間の上限に関する方針や業務改善推進プラン等を策定する予定である。来年度からの外国語活動の教科化やプログラミング教育の導入などを控え、教員が担うべき業務負担の軽減や勤務時間を意識した働き方が求められており、今後、勤務時間管理の徹底や学校及び教師が担う業務の明確化・適正化、学校の組織運営体制の在り方等について検討を進め、統合型校務支援システムの市町村立学校への導入を働きかけるなど、長時間勤務の是正に向けた具体的な取組を業務改善推進プランとしてとりまとめていきたい。
6.学校における働き方改革について(2)
【問】学校における業務量と人員のバランスが取れていない現状が、明らかになっているが、学校における事務や部活動の負担を少しでも軽くするための、外部人材登用に向けた取組の現状と、今後の対応について伺いたい。
【教育長】今年度より教員の事務負担軽減を目的に、学習プリント等の印刷や配布準備等を行うスクール・サポート・スタッフを小中学校に配置するための補助制度を創設し、4市町村で支援している。部活動においては、昨年度より国の予算を活用して、技術指導だけでなく大会等への引率指導ができる「部活動指動員」の配置を希望する市町村を対象に支援。今年度は18市町村に138名を配置する予定であり、今後も教職員が子どもたちと向き合う時間が少しでも多くるよう継続した取組を行い、教職員の多忙化解消に向けて支援をしていく。
7.学校図書館への新聞配備について
【問】「学校図書館図書整備等5カ年計画」を踏まえた、小中高等学校における学校図書館への新聞配備の現状と今後の取組について伺いたい。また来年度から始まる「新学習指導要領」には、新聞などの活用を図ることが明記されているが、新聞を活用した学習指導について、どのように考えているのか。
【教育長】平成29年度には、県内6市16町村の小中学校に、県立高等学校では全ての学校に新聞を配備している。また、授業への新聞の活用については、奈良県NIE(ニュースペーパー・イン・エデュケーションの略)推進協議会に参画し、中学校に「ニュースタイム」という時間を設け、記事を選んだ理由や感想などを生徒が意見交換し、成果を上げている。来年度は、香芝高等学校に「表現探求コース」を設置するとともに、新聞記者による特別講義や様々な学習を予定。今後、実践校としてふさわしいカリキュラムなどの検討を行う。