奈良県議会議員 ふじの良次 
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議会報告

[代表質問]令和3年9月定例議会

健康長寿に向けた取組について



【問】令和2年度なら健康長寿基礎調査では、新型コロナウイルス感染症の影響が県民の健康づくりに関する行動の減少や環境の悪化に繋がっているとの結果が出ており、今一度、県民に対して運動の実践や健診受診を促す必要があると考えるがどうか。

【知事答弁】
県では、かねてより健康寿命を日本一にすることを目標に掲げており、その目標を達成するためには、運動の実践と健診の受診は大変重要なファクターであると考えています。
平成25年度には、保健・医療・福祉・介護などの関連計画の歯車の歯が噛み合うように連動する「なら健康長寿基本計画」を策定しました。健康に役立つものはあらゆることをしてはどうですかという呼びかけを行ったところです。この計画に基づき、健康寿命日本一が実現できるようPDCAで、エビデンスに基づいた施策を考えていこうということを続けています。
一例を挙げますと、平成26年に橿原市と王寺町に「健康ステーション」を開設し、誰でも気軽に運動を始められる拠点として、その利用促進に取り組んできたというようにかなりの期間、健康長寿の取組をしてきました。
そのような中で、議員お述べのとおり、全国でコロナ禍における巣ごもり傾向が見られるという状況です。令和2年度の「なら健康長寿基礎調査」を行っていますが、「1日30分以上の運動を週2日以上行う人の割合」が、男女ともに前年を下回り、50%を割り込みました。外に出て運動する率が少なくなってきているということです。また、「健診を受診している人の割合」も、内科・がん・歯科のいずれにおいても男女ともに減少したとの結果が出ています。「診療所に行くとコロナに感染するかもしれない」という恐れが背景にあることが推察されます。
 新型コロナウイルス感染症の収束がまだ見えない中で、過度に恐れて外出控えや受診控えをすると、県民の皆さまの健康長寿の日常生活に少し影響があるということです。それに対して、県民の皆さまに色々なツールを使って、正しい情報、正しく恐れて正しい行動をするということを発信するようにしています。
 健康寿命については、要介護期間を短くすることが大きな課題ということがわかってきています。要介護期間を短くするには、散歩をしたり外に出かけるという日常生活を維持することが必要で、コロナのために外出を控えるということは要介護期間を短くするのに反する行動ではないかと思われます。健康寿命が阻害されないように、日常生活を維持していただくこと、それをどのように県民の皆さまにお伝するかが我々の課題になっています。
 奈良県では、できるだけエビデンスを探して、県民の皆さまに、リスクが下がる行動様式とリスクの低いところでは日常生活を維持していただけることをお伝えすることを続けていきたいと思っています。


大雨・豪雨対策について



【問い】全国的に大雨・豪雨災害が頻発しているなか、大和川流域においても雨水貯留浸透施設などの「ためる対策」をさらに推進する必要があると考えるがどうか。

【知事答弁】
 大和川流域では、昭和57年の大和川大水害を契機に、大和川流域総合治水対策を進めており、堤防を越えないように河川の水位を下げるための河川改修等の「ながす対策」と、ため池貯留や流域貯留施設等の整備により「ためる対策」に取り組んできました。
この「ためる対策」については、平成29年10月の台風21号で、内水浸水被害が発生したことを教訓にしたものです。平成30年より、奈良県平成緊急内水対策事業に着手しました。これまでに田原本町で1箇所完成し、今年度、新たに大和高田市、天理市、斑鳩町の3箇所で開始しております。現在15箇所で事業を進めている状況です。
 また、事業開始後の令和元年10月の台風19号で、全国的に甚大な被害が発生したことから、30年に1度というレベルではなく、100年に1度の大雨にも耐えられるよう、奈良県平成緊急内水対策事業もグレードアップしたところです。それは、たくさんの水をためられるように深く掘る、広く掘るということです。最近ではいろいろな国で大雨が降る状況が続いています。大和川に降れば直ちにあふれる状況ですので、「ためる対策」を大きくしようという事業を進めております。
 奈良県平成緊急内水対策事業では、事業主体である市・町に対し、総事業費から国費と交付税措置額を除いた、市・町の実質負担額の2分の1を県が独自に支援しています。市・町の負担を県の独自支援で半減する試みで実行しています。奈良県の取組に対し、本年5月の「特定都市河川浸水被害対策法」の改正により、「特定都市河川」の指定要件として、下流に狭窄部を有し流下が困難な河川が追加されることになりました。これは、亀の瀬に狭窄部のある大和川が当てはまる状況です。この法律の対象に指定されると、国からの補助率が1/3から1/2に引き上げられ、大きな財政補助になります。大和川が「特定都市河川」に指定されるよう、国に対し要望しているところです。
 奈良県平成緊急内水対策をはじめとした大和川流域のためる対策に、流域の市町村とも連携し、災害に日本一強い奈良県を目指し、より一層取り組んでまいります。


バリアフリー基本構想について



【問】県内の市町村におけるバリアフリー基本構想の策定状況はどうか。また、今後、策定を更に推進していくために、県はどのように取り組んでいくのか、あわせて伺いたい。

【知事答弁】
高齢者、障害者を含むあらゆる人々の移動や、施設の利便性・安全性の向上を促進するために、公共交通機関、建築物、公共施設のバリアフリー化を推進していくことは、地域にとって大変重要な課題だと認識しています。
 ご質問のバリアフリー基本構想は、平成18年に定められた「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」により、駅や、高齢者、障害者などが利用する施設が集中した地区において、市町村が策定することとされており、市町村の役割が基本になっています。
 この基本構想に基づいて、車椅子の通行に配慮した歩道整備、駅や建築物のエレ ベーター設置、障害者対応型トイレ整備などのバリアフリー化を、重点的かつ一体 的に推進することとされています。
 基本構想の策定は、全国であまり進んでおらず、奈良県でもそれほど高いレベル ではありません。全国市区町村の18%しか基本構想が策定されていない状況で、奈良県は少し高いですが、28%の策定率に過ぎません。策定された市町は、奈良市、大和郡山市、橿原市、桜井市、五條市、生駒市、香芝市、葛城市の8市と、斑鳩町、上牧町、河合町の3町です。王寺町は含まれていません。国では、更なるバリアフリー化を促進するため、令和7年度末までに、基本構想策定市区町村数を
450とする目標を掲げており、本県も未策定の市町村に、これまでも策定を促してきたところですが、より策定を促す必要性があると思います。
 未策定の市町村に、その理由を聞くと、構想策定のノウハウがない。関心が無いと言う事かと思われます。また、構想策定のための予算が不足している等の言い訳が届いています。
 県では、基本構想の策定を支援するため、市町村に対し、セミナーを開催するほか、個別相談による支援も行ってきたところであり、新たに策定に向け検討を始め た市町村も出てきています。
 ただし、基本構想を策定すればバリアフリー化が実現されるというわけではないので、実効性のある町になるように、どこが一番モデルとなるのかという事が一番 大事だと思います。是非、大和郡山市で議員のご指導のもと、バリアフリーが実現されるよう希望するところです。モデルがあるとずいぶん迫力が違ってきます。ま た、市町村が熱心になられると、県も応援するエネルギーにもなるので、是非そのようにお願いしたいと思います。
 引き続き、市町村にはバリアフリー基本構想の策定を促し、その実効性があり、また、結果が出るようにと願っているところです。議員の皆様の応援もいただいて、県の役割を果たしていきたいと考えています。


新型コロナウイルス感染症への対応について



【問】妊婦に対しては、優先的なワクチン接種やPCR検査の充実、入院医療機関の確保など、より手厚い対応が必要と考えるが、現在、県はどのように取り組んでいるのか。

【医療政策局長答弁】
議員お述べのとおり、妊娠中に新型コロナウイルスに感染すると、特に妊娠後期は重症化しやすく、早産のリスクも高まるとされています。
このため、県では妊婦に対する感染予防と、感染された場合に対応できる医療機関の確保に努めてまいりました。
 まず、妊婦に対する感染予防の取組として、ワクチンの優先接種が行われています。
現在、県内25市町村で取組が進められており、具体には、妊婦やその配偶者に対し、新たに予約枠を設け、妊娠中であるとの申し出があった場合には、接種日を早める対応がなされています。
妊婦へのワクチン接種については、県でも、その重要性を認識しており、関係医療機関に対し、積極的な協力を依頼しているところです。
さらに、分娩予定日が4週間以内の妊婦に対しては、新型コロナウイルスへの感染の疑いがなくても、希望に応じて、全額公費でPCR検査を実施しています。
現在、産科を標榜する医療機関のうち、14の医療機関で検査を受けることができ、県では引き続きPCR検査を受けられる医療機関の拡充に努めています。
また、本県においては、新型コロナウイルスに感染した妊婦には、全員に入院していただくことを基本として、昨年4月に、感染した妊婦が入院・療養できる医療機関を確保しました。これまでに入院を希望された妊婦の方は、全員、入院していただいています。
引き続き、新型コロナウイルス感染症への対応を含め、妊婦の皆さんに安心して出産していただける環境を整えてまいります。


物流の確保と支援について



【問1】コロナ禍の影響によりネットショッピングの需要が高まり、貨物の集配が急増するなか、県警察本部は、どのように集配車両の駐車スペースの確保に取り組むのか。

【警察本部長答弁】
 県警察では、貨物集配中の車両に係る駐車規制緩和の要望があることは公益社団法人奈良県トラック協会等を通じて承知しており、道路状況等に応じて交通の安全と円滑を確保した上で、駐車規制の見直しをすべく道路管理者等と協議を進めております。
これまで平成25年には近鉄新大宮駅南側において、駐車規制を見直して貨物集配中の車両が駐車することができる「駐車可」の交通規制を実施していますが、それ以降においても、駐車の需要が見込まれる場所の調査や、要望のあった場所について関係機関と協議しているものの、道路幅員が十分でないなど「駐車可」の規制を実施すると、交通の安全と円滑が確保できないため、実施には至っていません。
このように、現状の道路構造や道路の整備状況を踏まえれば、道路上のみで全ての駐車需要に対応することは困難であることから、駐車規制の見直しと併せて、駅前開発や大型マンションの開発協議において、集配車両の駐車スペース設置を働きかけており、本年4月1日には、近鉄西大寺駅南口「ロータリー」に、自治体により駐車スペースが設けられたところです。
 県警察といたしましては、引き続き、駐車規制の見直しと路外の駐車スペース等の確保に向けた働きかけを継続してまいります。

【問2】住民の利便性の向上と、宅配ドライバーの負担軽減や輸送の効率化を図るため、県においても民間住宅等における宅配ボックスの設置を推進する必要があると考えるがどうか。

【地域デザイン推進局長答弁】
 宅配ボックスは、ドライバーの方の負担軽減だけでなく、住宅に住まう方の利便性向上に役立つものであると認識しております。この観点から、宅配事業者等への支援に加え、住宅所有者への支援が重要と考えております。
 本県においては、近年新築された分譲マンションのほぼ全てに宅配ボックスが設置されている一方で、戸建て住宅では未だ設置が進んでいない状況です。国土交通省において、議員お述べの「宅配事業者支援事業」とは別に、住宅所有者等に対する既存住宅のリフォーム工事に併せて宅配ボックスを設置する場合の支援を実施されていますが、認知度が高いとは言えません。
このため、今後、県が実施している住宅所有者等を対象としたリフォームセミ ナー等において、国土交通省による支援を周知するなど、民間住宅への宅配ボックスの設置について啓発を行ってまいります。


県職員の労働環境について



【問1】今年8月に出された人事院勧告の内容を受け、人事委員会としての考え方や今後の対応について伺いたい。また、奈良県職員の給与は県の経済を支えている一面もあり、安易な引き下げは、より県内経済を悪化させる要因にもなると考えるがどうか。

【人事委員長答弁】
8月10日に行われた人事院勧告では、全国における民間企業の給与実態調査の結果に基づき、月例給については改定が行われず、ボーナスについては0.15月分引き下げる内容となっています。新型コロナウイルス感染症の影響等により、一部企業で業績が悪化したことが、調査結果に反映したものだと受け止めています。
県職員の給与の決定においては、地方公務員法第24条第2項の規定により、国家公務員の給与についても考慮すべき事項の一つとされていますが、給与水準については、県内の民間企業における給与水準と均衡させることを基本に勧告を行っていくものと考えています。
当委員会では、民間企業の給与実態調査の結果を踏まえ、10月上旬には県議会及び知事に給与勧告を行う予定としています。
また、地方公務員法第14条の規定に基づく給与勧告制度は地方公務員の労働基本権の制約の代償措置として、社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保する機能を持つものとされており、県内経済に与える影響などを考慮する仕組みとはなっていないものです。
 当委員会は、法の趣旨に則り、県民にも納得が得られるよう、県内の民間企業の給与水準に準拠することを基本に、中立・公正な立場から適正な水準を勧告していくことが重要であると考えています。

【問2】奈良県の技術力を維持し、公共の責任を果たすためにも技能労務職員を安定して採用していく必要があると考えるがどうか。

【総務部長】
奈良公園は、歴史文化と自然が一体となった世界に誇ることのできる場所であり、来訪者が安全で快適に過ごしていただくことが重要です。このために、技能労務職員や会計年度任用職員が、外部委託業者とともに、現場の状況に応じ、業務を迅速かつ確実に担っているところと承知しております。
この奈良公園事務所をはじめ、技能労務職員が担う業務については、効率的に代替できるものは民間活力を活用する観点から、道路維持業務や駐車場管理業務などの業務を積極的に外部委託してきたところです。
今後も、業務の性質や他府県の状況なども踏まえつつ、どのような体制が効率的に行政サービスの質の向上を図れるかといった観点に留意して、丁寧に検討を行ってまいりたいと考えています。

【問3】定年引上げに関する国家公務員法及び地方公務員法の改正をどのように捉えているのか。また、定年引上げに伴う課題とされる給与体系や新規採用のあり方について、どのように考えているのか。

【総務部長答弁】
 令和3年6月に定年を段階的に引き上げることを柱とする国家公務員法及び地方公務員法の改正がなされ、令和5年4月1日施行とされております。
 この改正ですが、少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少するなかで、能力と意欲のある高齢期の職員を最大限に活用しつつ、次の世代にその知識、技術、経験などを継承する観点から講じられたものと認識しております。
 改正の主な内容ですが、公務員の定年について、現行60歳の定年を2年に1歳ずつ65歳まで引き上げること、管理職である職員を原則60歳で非管理職に異動させる仕組みを設けること、60歳を超える職員の給料月額を60歳前の7割水準に設定することです。
議員お述べのとおり、定年引上げ期間中は、2年に1回、退職者がいない年度が発生することから、必要な行政サービスを将来にわたって、安定的に提供するため、一定の新規採用を継続的に確保するということも必要な視点であると考えております。
それから、地方公務員の給与は、地方公務員法において、国家公務員の給与等を考慮して定めなければならないとされてますので、定年引上げに伴う給与体系についても同様であると考えています。
 いずれにしても、今後の制度設計にあたっては、国の運用ですとか、他府県の動向を確認したうえで、職員の声も聞きながら、検討を重ねていきたいと思います。


教育問題について



【問1】県内小・中学校における新型コロナウイルス感染症への対応の現状について伺いたい。また、市町村によって学校内における対応策にばらつきが見られ、教育的格差が生じるのではとの心配の声も聞かれるが、教育長はどのように考えているのか。

【教育長答弁】
本県の公立小中学校においては予定通りに2学期を開始し、奈良市や生駒市、下市町では一定の期間、午前中に登校し、午後には家庭でオンライン学習を行うなど地域の実情に合わせて感染拡大の防止策を講じています。
 学級閉鎖時等においてオンライン学習で授業を配信できていない場合などもあり、市町村によって対応の違いがあり、子どもに不安を与えてる事実もあります。   
しかし本年度、文部科学省が実施した全国学力・学習状況調査によると、本県においても、コロナ禍で学習に不安を感じている子どもが多い学校の平均正答率が必ずしも低いわけではありませんでした。結局、相関はございませんでした。
 コロナ禍で教育格差を心配する声は市町村の対応の違いだけが原因ではなく、これまでの教育に対する不安の表れだと思います。また今回、全国学力・学習状況調査において本県の公立小学校の国語平均点が全国で最下位となったことは、さらに不安を高める結果となっていると思います。
 現在、教員の指導の在り方と子どもの学習意欲との関係や、非認知能力と教科の正答率との関係など調査データを分析中であり、これらの調査結果を、本県児童生徒の学ぶ力の向上につなげてまいります。

【問2】国が示す「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」においては、ICT支援員を4校に1人配置といった目標水準を定めているが、県内の小・中学校での配置状況はどうか。また、ICT支援員の確保とそれに伴う財政支援、更には、教員に対する研修の充実についてもあわせて伺いたい。

【教育長答弁】
 ICT支援員は、昨年度18市町村に配置され、授業や校務、校内研修の支援等を行うとともに、教員のICT活用指導力の向上等にも役だっています。
 ICT支援員を確保するための財政支援については、議員御指摘のとおり、現在、「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」として、国から地方財政措置が講じられています。教育研究所では、市町村教育委員会のGIGAスクール構想担当者と定期的なオンライン会議を開催し、ICT教育についての情報を共有するとともに、ICT支援員の人材紹介などについてアドバイスし、GIGAスクール構想の推進に取り組んでいます。 
 また、教員に対しては、オンライン教員研修「先生応援プログラム」を昨年10月から実施しています。本年度は、内容を精選するとともに、受講しやすい時間帯に、より実践的な内容で実施することで、これまで6,000人を超える教員が研修に参加しています。
 「令和2年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査(速報値)」では、本県の教員の ICT活用指導力におきまして授業に活用する能力など5項目全てで全国平均を上回る結果となりました。今後も教育研究所教育情報化推進部が中心となり、教員の更なるICT活用指導力の向上に努めてまいります。

【問3】県による市町村へのスクールソーシャルワーカーの派遣状況やその確保に向けた取組について、また、市町村の配置に対する県からの財政支援も含め、今後どのように取り組むのか伺いたい。

【教育長答弁】
 現在、県教育委員会では8名のスクールソーシャルワーカーを確保し、6市14町12村と県立学校に派遣しています。派遣日数は、各市町村の設置学校数に応じて、1市町村あたり年間10日から45日程度で1日約4時間を基本としています。
 スクールソーシャルワーカーは、毎月定期的に各市町村を訪問し、児童生徒への支援や関係機関との連携を行っています。しかし、現在5市1町では必要な時期に自由に活用できるよう、自主財源により任用しています。
 スクールソーシャルワーカーは、専門性の高さから人材の確保が非常に困難になっており、市町村で任用される場合、県教育委員会としては、人材の紹介やスキルを高める研修などの支援を引き続き行ってまいります。
 現在、スクールソーシャルワーカーの常勤配置を希望する市町村もあり、法律に基づいて定数配置されるよう、全国教育長協議会を通じて国に要望してまいりたいと考えています。

【問4】小・中学校において教員の欠員が発生した場合における対応の現状と、今後の取組について伺いたい。また、配置がスムーズにいかない場合に、非常勤講師により補充する方法なども考えられるがどうか。

【教育長答弁】
 小中学校において病気休職等で欠員が生じた場合、可能な限り早急に常勤講師を補充できるように、県教委と市町村教委が協力して、その確保に努めているところです。しかし、9月1日現在、小学校15校、中学校1校で補充講師が見つからないため、教頭や他の教員が学級担任をするなど、業務等の見直しにより対応をいただいています。
 現在も県教委では、従来からの講師登録や昨年度に開設した人材バンクへの登録、ハローワークへの求人、国の方針に基づく教員免許を更新しなかった方への臨時免許状の授与などにより、常勤講師の確保に努力いたしております。
 これまで、教員に欠員が生じた場合は、常勤講師の補充を方針としており、そのため、非常勤講師による補充は市町村で対応いただいているケースもございます。 
しかし、議員お述べのとおり、早期に補充の講師を配置できないケースもあり、今後は、状況に応じて非常勤講師等での補充も含め、可能な教員配置について検討してまいりたいと思います。


通学通園路における安全総点検について



【要望】


今年の6月28日、千葉県八街市において下校中の児童の列にトラックが突っ込み、5名が死傷する痛ましい事故が発生しました。
今回、このような事故が起きたことを受け、通学路における交通安全を一層確実に確保することが重要であることから、文科省、国交省及び警察庁の3省庁が連携して対応策を検討し、「通学路における合同点検等実施要領」を作成。
各都道府県並びに各警察本部に通達されました。
また、これを受け、奈良県では、7月20日、県と県教委及び県警の3者でつくる第三者委員会「県通学路等安全対策推進会議」において、県内全域での通学、通園路を総点検し、各市町村に対して具体的な改善策を提案していくことを明かされました。
危険箇所の取りまとめにあたっては、「見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など、車の速度が上がりやすい箇所」「大型車の進入が多い箇所」「過去に事故に至らなくてもヒヤリハット事例があった箇所」「保護者、見守り活動者、地域住民等から市町村への改善要請があった箇所」などの観点について確認が必要とされています。
一方で、現状は問題とされていない通学路においても、その周辺環境に変化の兆しがあり、通学路が危険にさらされるといった箇所もあるとの声も寄せられていますが、こういった問題にも対応が必要ではないかと思われます。
今後、通学路の点検と同時に対策の優先度を見極めながら、10月までに対策が必要な箇所は対策案をまとめて提案し、市町村に改善状況の確認や助言を行っていくとのことですが、子どもたちの安全・安心を守るためにも、地域の実態を確認しながら進めていただくことを強く要望いたします。

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