[一般質問]令和7年2月定例議会
【問】奈良公園事務所の職員が担う業務が多岐にわたっている現状を踏まえると、直営の維持や正規職員での人員補充が必要であると考える。また、技能労務職の安定した採用は、技術力の維持や地域社会の多様なニーズへの対応及び公共の責任を果たすためにも重要なことである。技能労務職員の増員も含めた職員のあり方について、どのように考えているのか知事の所見を伺いたい。
【知事答弁】議員お述べの奈良公園では、広大な面積を有し、国の特別天然記念物にも指定されている「春日山原始林」の保安・監視をはじめとした、特殊な知識・経験を要する業務や、自然災害時の倒木処理などの臨機かつ機動的な対応が求められる業務がある。これらの業務に従事する技能労務職員の活躍によって、奈良公園の魅力向上や、訪れる方々への「おもてなし」の向上につながっているものと認識。 他方で、お尋ねの「技能労務職員のあり方」については、議員もご承知のとおり、過去に国において“技能労務職員の職務内容が民間の同種事業に類似しているものもある中で、民間事業者と比べて給与水準が高いのではないか”といった指摘がなされたこと等を受けて、全国の自治体で技能労務職員の給与水準の引下げや、技能労務職から行政職への転換、民間委託が積極的に進められてきた経緯がある。 本県においても、他の自治体を参考に、県立福祉施設等での給食調理や、県道の維持管理などの技能労務業務について、民間活力の導入が可能なものは、順次、外部委託を進めてきた。奈良公園においても、従来、技能労務職員が担ってきた公園内の駐車場管理業務を、令和元年度より外部委託した。 今後も人口減少等により、人材確保が厳しさを増すと予想される中で、引き続き、行政サービスの質の確保や、安定的な人材の確保、各職場の実態、技能労務職員のモチベーションの維持などにも配意しつつ、各職場が社会情勢に沿った持続可能な業務体制となるよう、職員の採用等を含めて、都度、判断していきたい。
【更 問】知事の答弁をお聞きすると、令和3年9月議会で、私が同様の代表質問をした時の答弁と変わらないという印象。民間委託というのは十分理解しており、やはり、民間委託ではできない箇所・場所、役割があると思う。 技能労務職員の役割、採用について、もう一度知事の考えを伺いたい。
【知事答弁】 各職場で必要とされるスキルを鑑み、民間委託や会計年度任用職員では代替できない業務であって直営で行う必要がある業務については、技能労務職員を雇用し続ける意義はあると思う。各職場でどのようなスキルや人材が求められているのかに応じて、民間委託か、会計年度任用職員あるいは技能労務職員を雇用するのかを、適宜、適切に判断していくことに尽きるのではないかと思う。
【要 望】安定した採用、計画的な採用を是非ともお願いしたい。技術力の維持、あるいは徹底した県民サービスの提供や公共の責任を果たすために、一定の技能労務職員の確保は必要だと思う。引き続き、知事を始め、関係者の理解と協力をお願い申し上げる。
【問1】多くの観光客によるオーバーツーリズムに備え、公共交通の充実やパーク&ライドの周知及び利用促進の強化に対し、県はどのように取り組んでいくのか。
【問2】観光客の玄関口となる近鉄奈良駅周辺や、奈良公園周辺において、歩行者の安全確保のための歩道の拡幅やバリアフリー化など、公共交通の利用環境に向けた整備が必要と考えるが、知事の所見を伺いたい。
【知事答弁】
(問1) 奈良公園周辺は、特に春や秋の観光シーズンは大変な賑わいで、交通渋滞も発生しています。 交通渋滞の緩和に向けては、奈良公園周辺への自家用車の流入を抑制すべく、奈良市中心市街地における公共交通の充実を図っています。 公共交通の充実を図る取組としては、4月から「ぐるっとバス」のルートを見直し、駅アクセスと周遊観光の利便性向上を目的に、新たに、近鉄奈良駅や若草山麓、ならまちを通る「奈良公園ぐるっとバス」として運行する予定です。 また、奈良市中心市街地の交通渋滞を緩和するために、春と秋の観光シーズンに、「国道24号高架下駐車場」や「奈良市役所駐車場」において、無料のパーク&ライド駐車場を開設しています。 パーク&ライドを広く知っていただくために、これまでもチラシやポスターでの広報を実施していたが、令和6年の10月、11月には、利用者の多い高速道路SA(サービスエリア)のデジタルサイネージで新たに広報を実施し、さらに、春の観光シーズンに向けて、4月、5月にはインターネット広告の活用も検討しています。 また、パーク&ライドの利用促進を図るため、今年のゴールデンウィーク期間中には、奈良公園へのアクセス性に優れたシャトルバスの運行や、パーク&ライドを利用される方へのバスチケットの無料配布も予定しているところです。 今後も、オーバーツーリズムの備えとして、観光事業者等と連携しながら、取組を強化して参ります。
(問2)一昨日の中川議員にお答えしたとおり、近鉄奈良駅前の駅前広場は、昭和45年の大阪万博を契機として、駅の地下化とともに整備されたものである。限られた空間に路線バスの乗降場など交通結節施設が配置されたことから、歩行者中心の歩きやすい空間づくりへの改善が求められている。 近鉄奈良駅前広場については、これまでに地元商店街や自治会などを混じえて勉強会を行い、また公共交通事業者など関係事業者と協議を重ねてきた。しかしながら、現在の限られたスペースでは制約や課題が多く、公共交通事業者との合意には至っていない。 また、「東大寺大仏殿・春日大社前」バス停を含む奈良公園周辺の歩行空間については、多くの観光客の往来があるほか、地域住民の利用も少なくない。一方で、当該地域は社寺境内地や史跡名勝といった制約から歩行空間が充分確保されていない箇所があり、必ずしも安全にゆったりと通行できる環境ではなく、改善策を検討する必要である。 昨年12月に勉強会を再開し、近鉄奈良駅の駅前広場周辺のみならず、 奈良公園を含めた広いエリアで、魅力的で歩きやすい空間づくりに向けて検討を進めているところ。 奈良公園周辺をはじめとする観光地において、交通渋滞や歩行者の混雑、騒音、ごみのポイ捨てなど、様々な課題があることは認識している。 とりわけ、奈良公園周辺の歩行空間確保については、公共交通事業者や地元の方々などと議論を深め、同公園周辺における公共交通の利用環境の向上に努めてまいりたい。
【要 望】「東大寺大仏殿・春日大社前」バス停についても、これから取り組もうとしていることに安心しました。すぐにできないと思いますが、段階的に取り組んでいただきたい。
【問】大河ドラマを契機とした誘客促進事業に取り組まれるとのことだが、舞台となる大和郡山市はもとより、どのように関連地域と連携して取組を進めるのか伺いたい。
【観光局長答弁】令和8年1月から放映が予定されているNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」では主人公である豊臣秀長が郡山城の城主であったことから、主要な舞台の一つとして、大和郡山市に注目が集まることが予想される。 奈良県が大河ドラマの舞台となるのは55年ぶりのことで、日本全国から誘客を見込める絶好の機会と捉えている。 議員お述べのとおり、県内には豊臣秀長にまつわる宇陀市の宇陀松山城跡や高取町の高取城跡などのゆかりの地が点在している。また、現在、県内全市町村に秀長に関連する史跡や伝承などの聞き取りを行い、ゆかりの地のリストアップを進めているところ。 大和郡山市とこれらのゆかりの地の魅力をホームページやSNS、メディア等で積極的に全国に発信したいと考えている。加えて、これらの地域への周遊を促進するコンテンツづくりに市町村と連携して取り組み、県全域への周遊を促し、宿泊してゆっくり滞在いただけるよう進めていきたい。 また、この機会に直接的な関連がない地域にも足を伸ばしてもらえるよう、地域の魅力の発信に取り組んでまいりたい。 加えて、大河ドラマの舞台となる愛知県や滋賀県とも連携し、大河ドラマが放送される1年間を通して周遊促進を図る企画を検討しているところ。 大河ドラマの誘客効果と地域への経済効果は、過去の事例を見ても非常に大きく、また地域の歴史や史跡、人物等が取り上げられることで、シビックプライドの醸成にも大きな効果があると考えている。 このように、大河ドラマを契機として地域がより元気に活性化するため、市町村や関係機関等とも連携を密にし、早め早めの積極的な誘客プロモーションを実施し、周遊や宿泊に繋がるようしっかり取り組んでまいりたい。
【更 問】 大和郡山市での様々な取組について、県として連携しながら進めていくという考えはあるか。
【観光局長答弁】大和郡山市と連携して、しっかり進めていきたいと考えている。
【意 見】舞台となる大和郡山市をさらに盛り上げ、花火を上げていただくような取組を大和郡山市と連携して進めていただきたい。これから1年間、様々な準備を含めて県のご支援をいただきたい。
【問】都市計画道路「城廻り線」の整備状況とともに、完成時期の目途について伺いたい。
【県土マネジメント部長答弁】都市計画道路城廻り線は、京奈和自動車道大和北道路のアクセス道路であるとともに、近鉄橿原線九条第9号踏切における慢性的な渋滞を解消し、大和郡山市域の円滑な交通流動の確保を図る重要な路線です。また、奈良県総合医療センターへのアクセス道路としても位置づけられており、早期に整備が必要な道路と認識し整備を進めているところです。 現在の進捗状況についてご説明します。近鉄線西側においては、支障となる地下埋設管の移設工事を道路占用事業者が行っており、今年度中に完了予定と聞いています。令和7年度より、現道を南側へ切り替える工事を実施し、本線部のボックスカルバート設置に必要な鋼矢板打設工事を進める予定です。 近鉄線東側では、今年度文化財調査を実施しました。令和7年度は文化財調査に加え、水路工事、北郡山交差点の歩道整備や右折レーンを設置する交差点改良工事に着手する予定です。 限られた用地内で地下埋設管路移設や現道を切り替えながら工事を行う必要があり、時間を要することに加え、これから本格化する工事の予算確保、とりわけ国の交付金の確保も課題であることから、現時点では供用開始の時期を明言できる段階ではありません。ご理解をお願いいたします。 近鉄郡山駅周辺では、県と市がまちづくり連携協定に基づくまちづくりを進めております。令和10年度に駅前商業施設のリニューアルオープン、令和12年度に新駅供用開始、令和14年度に駅前広場等の周辺施設グランドオープンが予定され、さらに、直近令和8年度には郡山城主が主人公のNHK大河ドラマの放送も予定されています。県もこういった節目を十分に意識し、工事中における周辺地域の円滑な交通を確保しつつ、スピードを緩めることなく事業を推進してまいります。 今後も地域の方々のご理解、ご協力を賜りながら早期に供用開始できるよう全力で取り組んでまいります。
【更 問】完成の宣言をして欲しいとは言っていない。目途を教えて欲しい。もちろん、国からの補助金のこともあり、なかなか言えないところもあるかもしれないが、あえてまた伺いたい。
【県土マネジメント部長答弁】完成の目途ですが、ボックスカルバートといった大規模な工事が控えており、予算確保という一番のハードルがあり、申し訳ありませんが現段階では目途は申し上げあられない段階であります。ご理解をお願いいたします。
【要 望】近鉄郡山駅周辺地区のまちづくりが令和12年度、駅周辺施設グランドオープンが14年度ということが目途とされているので、引き続き、そこを目途として、取り組んで頂きたいと、強く要望します。
5.教員の確保について
【問1】 正規教員の拡充による安定的な教員確保に加え、常勤の補充講師を迅速に任用するための取組が必要であると考えるが、現状と今後の方向性を伺いたい。
【問2】 教職員定数については、義務標準法に準ずると1クラスの減少で2人定数が減少する場合があるが、県による加配などの緩和策について伺いたい。
【教育長答弁】
(問1)本県では、現在、教員定数の標準に占める正規教員の割合が全国平均を大きく下回っています。これについて、令和12年度に全国平均並とすべく、採用人数を増やすこととしています。正規教員の割合が高まることで、安定的な教員の確保につながるものと考えています。 現在、育休の取得促進について、県、県教育委員会ともに、働き方改革の一環で取り組んでいます。正規教員が産休、育休等を取得する際の代替講師について、従来は常勤に限定していましたが、令和5年10月以降は、代替の講師を募集しても常勤での応募がなく、非常勤には応募がある場合に限って、非常勤で任用することに改めました。これにより、教科指導の代替については改善されましたが、非常勤であることから代替できない校務もあり、欠員の根本的な解消には至っておらず、常勤講師の確保は引き続き課題と考えています。 県教育委員会では、常勤講師の確保に向け、市町村教育委員会と連携し、退職教員への電話連絡やハローワークへの登録等を進めてきました。また、長らく現場から離れている方を対象としたペーパーティーチャー説明会を、令和5年2月から継続的に行っており、今年度は33人の参加を得て、8人の任用につながる見込みです。 さらに、令和5年10月からLINEを用いた講師募集や採用試験の情報発信を行っており、先月末現在、友だち登録数は3,271人になっている。令和7年1月からはInstagramを用いた教職の魅力を伝えるための動画配信を開始したところです。加えて、安定的な教員確保に向けて「教員採用にかかる戦略的広報展開事業」を令和7年度予算案として上程しています。 正規教員の拡充による安定的な教員確保に加え、これらの取組により常勤講師の確保に努めていく所存です。
【更 問】 常勤の補充講師に関する人材登録バンクのような制度作り、制度設計を考えていることはないのか。
【教育長答弁】 既にそういった人材バンクを設けており、適宜、登録をしていただいている状況です。
【要 望】スムーズな確保、市町村が求められる確保に取り組んで欲しい。加配も含めて、県の教員の確保について絶大なるご支援、ご支持をいただきたい。
(問2) 公立小・中学校及び義務教育学校の教職員定数については、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」、いわゆる義務標準法をもとに、学級編制基準に基づく学級数に応じて決定しています。 義務標準法に基づくと、議員ご指摘のとおり、学級数が1減ることで、教員定数が2減る場合がありますが、国において、一定の根拠をもって制定された法であり、法を超えての定数配置は難しいと言わざるを得ません。 しかしながら、学校の校務を分担する上で、教員定数が減る影響は小さくないため、義務標準法の改善については、全国都道府県教育長協議会等を通じて、国へ要望していきたいと考えています。 あわせて、各学校の学級数の変化や教育課題の把握に努め、学級数に応じた教員の配置に加え、目的に応じた国の加配定数を活用することで、適切な定数配置となるよう努めていきます。
8.奈良県中央卸売市場について 【要 望】
最後に、「奈良県中央卸売市場再整備について」を要望いたします。 先月の2月10日、奈良県中央卸売市場運営協議会が行われました。 食の流通拠点としての機能を備え、奈良県民の食の安全・安心を確保する「市場エリア」と、市場の機能や立地を活かし、地域の賑わいを創出する「賑わいエリア」について、親和性のある一体的な整備を行うことを、改めて確認されました。市場エリアについては、施設のコンパクト化を図るとともに、取扱商品の温度管理ができるコールドチェーンに対応した閉鎖型施設を整備する。賑わいエリアについては、フードホールやマルシェ、物流施設の整備を原則としながら、食品加工施設、県産品PR施設など市場の賑わいや機能強化に資する施設整備を検討する。などが了承されました。また、事業者が施設を建設した後に、所有権を県に移転して、県が運営するBT方式で事業を進める方針も示されました。今回の新年度予算にも事業費が計上されており、今後、事業が本格的に進められることに期待が膨らむところです。とはいっても、事業者に影響が及ぶ運営費・維持管理費などの問題や、市場を取り巻くアクセスの整備など、取り組むべき課題も山積しています。また、賑わいエリアの公募は5年後の令和12年頃になることから、その行方も気になるところです。県民の食卓に安心・安全に生鮮食料品を届けるといった流通機能の役割を果たす市場の再整備は、県の重要施策であると考えます。どうか県民の台所としての役割を果たす奈良県中央卸売市場の再整備に対して、引き続きのご尽力をお願い申し上げ、壇上における質問を終わります。